箱の中には

今日は西荻窪のソーセージ屋さんいソーセージを買いに行った。いつもそれだけがお目当ですぐ帰ってしまうので、久しぶりに西荻窪を散策しようかとサウスアベニューに向かう前にグレースでケーキを食べようと思った。グレースの扉を開けると

「お持ち帰りですか?」

と言われて、なんだか中で食べると言い出しにくくニッコリ笑顔で

「はい」

と答えた。本当は、生クリームののった季節的なケーキか、かぼちゃパイが食べたかった。

持ち帰りのケーキに変更かと散策する時間を考え常温で持てるシフォンケーキがいいように思えたので、バナナ味とスパイス紅茶味の二切れカットしてもらった。お礼を言って、サウスアベニューに行く。

本当に何年振りに来ただろうと思うがサウスには人間決して忘れてはいけない気持ちが置いてある。本当に、いつ来ても明るく風通しがよく何よりユーモアが溢れている。個性的なのに嫌味がない面持ちは、人間こんなふうに生きねばという開放感と冒険心がある。

壁一面に広がった地図の前で、どこの茶葉にしようかと考えるのではなく、ここの人たちはそこを旅しているのかとうっとりする。そして、きっとここにはあるだろう珈琲匙予備軍をギロリと吟味すると、なんと耐熱ガラスの小さなピッチャーがあって買うか悩むが、小さすぎると諦めた。(ほんとに?数日後に買いに行ってそうw)

改めて、いくばくかの中国茶、民芸的土産っぽいとっくりが珈琲匙にピッタリと購入することにした。本当は、素晴らしい銀細工のレンゲを見つけていて、それが欲しいのだがぐっと我慢した。(今の自分にはまだ早いと)

常連のお客さんらしき人が店の人とサンドイッチ屋さんの話をしていて「今日は開いてたね」「私あとで買いに行きます」「たまご以外美味しくないよ」etc話しているので私も探すことにすると、すぐ見つかった。たまごサンド以外イマイチというが、たまごサンド以外がいいのでは?思う変わったラインアップに少し誘惑されかけた。

海苔タラモつくねなんて名前だけで美味しそうだし、ツナタラモも美味しそうなネーミングだし、あれそれこれとタラモ好きにはなかなか魅惑的なお店だったが今日は我慢と明日の方向を見た。

するとお腹がグーと減る。

困ったなと思いつつまずは当初の予定のソーセージを6本買い、サンドイッチ屋に戻ろうかと悩んでいたら火曜日だけコーヒーとチョコレートムースの店を見つける。普段はトウファのお店なのだが火曜日だけ別の人が間借りしてるのかと思うと興味深っかったのと、何より〝ちょっとカタ目のプリン型のチョコレートムース〟が出てくる気がして、小さな扉を開けて

「ひとりいいですか?」

と聞くと

「コーヒーとチョコレートムースしかありませんがいいですか?」

と聞かれ

「はい」

とニッコリ笑うと

「お二階のカウンターへどうぞ」

と言われた。一階とは異なり二階はわいわいきゃわきゃわとしていた。私は手前のカウンターに座り窓の外を除いた。ちょうどグレースに行く道が見えた。さっきまで歩いていた道かと思うと妙に笑えた。一人でやっておられるので時間がかかるかな?と思ったらすぐ持ってきてくれた。するとなんと掬う形のロールチョコレートムースに(そうきたか!)と感心させられつつ(一人で切り盛りするのは、いいですよね)コーヒーを啜ると深煎りだった。

チョコレートに合わせてこれになったのだろうというのがよくわかり、いい店に立ち寄ったと腹を満たす。また、たまには来ようと思った。

明日は謎の焙煎日。頑張らねば。

追伸
箱の中身は一人で食べました✨ワニさんは昨日のどら焼き。