和菓子と珈琲

うぐいす

時々、無性に表参道に行きたくなる。行ったらお金を使ってしまう誘惑が多いので行かない方がいいのだが行きたくなる。よって、数ヶ月に1回、毎月1回は行かないとしても、どきどき行くと決めているのだが、今日は無性に行きたくなった。

焙煎の準備を済ませてから、ワニさんに「今日は散歩に行ってきていいか」と尋ねると、「焙煎も目処がついているので行って来ていいよ」と言われたので家を飛び出した。レジェンド・バタフライを観るには少し早く、バビロンを観るには時間が長く、ええい、渋谷に行こうと向かったが結局その足で表参道に行ってしまった。表参道は月〜水曜日にかけてお休みの店が多いので、ちょうどいいウインドーショッピングがてらと思ったが、まずは菊屋の前で雛あられという文字が目に飛び込んできた。

ここの雛あられは実に可愛。ついつい衝動買いをしがちなのだが、見るだけよとビルの9Fに行く。エレベーターの扉が開くと同時に、雛あられが陳列してあった。(ありすぎると可愛さ半減(笑))「いらっしゃいな」と軽快な江戸言葉が響く、わざわざ来てくだすってありがとうござんす的に着物姿でお出迎いされたら、買わずには帰れない空気に和菓子を買うことにした。

いろんなものが並ぶ中でうぐいす柄とうぐいす餅が印象に残った。

「両方、うぐいすですね、春らしい」と呟くと「うぐいす餅は本当に美味しいですねぇ」とにっこり笑われたので、それをご所望した。ここのお店はいつも和菓子を包む紐の縛りがピシッと筋が通ってて小気味いい。買うたびに背筋が伸びる気持ちになる。それを持って下に降りると「菊屋で買って帰ろう!」と楽しげに看板を見る若人とすれ違い何を買うのだろうと思いつつそのまま45Rに服を覗きに行くと春物らしい春物は無く(ああよかった、誘惑は無い)と一応気になるものを試着したが似合わずよりほっとした。

海外から買い物に来ている方がいて45Rの根強さを再確認することとなる。

その足で閉まっているであろうアーツサイエンスのグッズの方に行き(やっぱり閉まっててああよかった、誘惑は無い)とウインドーショッピングを続けた。

イッセイミヤケ、ヨージヤマモトを潜り抜け、プレインピープルを通り過ぎようとしたらマネキンの胸元に燦然と輝くお花が気になった(ネックレスです)近くで見るだけよと心ゆるく店に入って、つけてみてもいいですか?と聞くと、「ああ、タンポポですね」と言われ胸を鷲掴みにされた。

確かにタンポポに見える。

ズキュンとした瞬間(持ってるあの)ワンピースにピッタリよと決心して、「連れて帰ります」にニンマリの店員さん。私の財布はダメよダメよ言うけれど、首にかけるもいいが電気の紐にピッタリと思ったらもう、あと戻りは出来なかった。店員さんに電気の紐にしようと思うと伝えそうになったが、呆れられるのが分かっているのでグッと我慢した。

風にゆらゆら気分で揺れます

家に帰ると、和菓子のために珈琲が焙煎してあった。晩御飯の後にうぐいすと共に楽しもうと思う。ところで私はなぜ、表参道に行きたかったのか?珈琲匙を探してるんです。コレクターになろうかと。ユニークなものがあったら是非教えてください。中川ワニ珈琲∞アトリエに一報くださいませ。